硫黄島からの手紙 Letters from Iwojima 2006/12/15(fri) 17:20-19:55(145min)


旧陸海軍は「いおうとう」と呼んでいたそうな。
惜しむらくは硫黄島の陣地の地理的な関係と時間の経過が良くわからなかったこと。縦横に張り巡らされた地下坑道と北部の司令部との距離とか把握しにくかった。
降伏した捕虜を射殺することは、もちろんジュネーヴ条約違反であるが、「突然攻撃されて身の危険を感じた」と証言すればOK!だったんだろうなぁ。従来の米国映画では描かれなかったシーンだろうなぁ。第一部「父親たちの星条旗」でも「体制に有利なプロパガンダ」があふれていたから。「硫黄島の戦い」も大本営発表によって戦意高揚のプロパガンダに利用されていたのだから。
もし栗林中将が戦闘終了まで生き残っていたら、A級戦犯として断じられていたのでは、と心配する。一方で物資の乏しいなかで戦闘を遂行した有能で優秀な司令官は、もう一方で「太平洋戦争において最も連合軍に被害を与えた司令官」であるからだ。回想シーンの送別会での問答を思い起こさせる。付記するならば問答は愚問であり、答えは自明だ。
クリントイーストウッドは「許されざる者('92・もう15年も前の作品か!)」あたりで打ち止めか、と思っていたのだが、「ミスティックリバー」「ミリオンダラーベイビー」と作品を生み出している。監督自身が死を目の前にして「死を見つめている」と感じる作品(群)。

硫黄島の戦いにちなんでイオージマの名前は米海軍の艦艇に代々命名されている。現役のものはUSS Iwo Jima,LHD-7,ワスプ級強襲揚陸艦の7番艦である。


[前に戻る]
[ひとつうえへ]